実家の土地は20年でどう変わった?全国1,499市区町村の地価を、同じ地点で追いかけた【実家ノート調べ】
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- 住宅地の地価を同じ地点で20年追うと、全国1,499市区町村(政令市は区ごと)のうち1,155(77%)で2006年より下がっていました。地点が3つ以上ある市区町村に絞っても68%、地点で数えると12,475地点の61%です。
- 全国の地点の中央値は2018〜2022年に横ばいになったあと少し戻りました。それでも790市区町村(53%)は、2021年から2026年にかけても下がっています。616市区町村は、2026年が20年でいちばん低い年でした。
- 2006年の水準以上にあるのは344市区町村(23%)です。22県では、調べた市町村がすべて2006年を下回っていました。
分かったこと
相続した実家を「いつか値上がりするかもしれないから、とりあえず持っておく」という声はよく聞きます。では実際に、20年前に相続した土地はその後どうなったのか。国土交通省の地価公示(毎年1月1日時点の土地の価格)のうち、2006年から2026年まで21年間すべてに価格がある住宅地の地点だけを選び、同じ地点の値動きを市区町村ごとにまとめました。
よく見かける「市区町村の平均地価の推移」は、年によって調べる地点が入れ替わるため、上がり下がりが地点の入れ替えに引っ張られます。ここでは同じ土地が20年でどうなったかだけを見ています。
① 全国では持ち直し。でも半数の町はまだ下がっている
全国の地点をまとめた中央値は、2006年を100とすると2018〜2022年に86前後で横ばいになり、2026年は90.3まで戻りました。国の発表でも、2026年の住宅地は全国平均で前年比+2.1%、5年連続の上昇です。ところが市区町村ごとに1つずつ数えると、2021年から2026年にかけて下がったところが790(53%)、上がったところが663(44%)で、下がった町のほうが多くなります。国の数字は地点の変動率の平均で、地点の多い大都市の動きが強く出ます。一方、地点の少ない地方の町は、数は多いのにその動きが平均には表れにくいのです。全国の数字と、自分の実家のある町の数字は別物です。
② 22県では、調べた市町村がすべて下落
青森県・秋田県・山形県・栃木県・群馬県・富山県・福井県・山梨県・岐阜県・三重県・奈良県・和歌山県・鳥取県・島根県・山口県・徳島県・香川県・愛媛県・高知県・佐賀県・大分県・宮崎県では、20年分の価格がそろっている住宅地の地点があるすべての市町村で、2006年より下がっていました。反対に、東京都・沖縄県では大半の市区町村が、神奈川県・愛知県では半数を超える市区町村が上がっています(都道府県別の表)。
③ 土地の税金を足しても、結論はほとんど変わらない
土地150㎡を家付き(住宅用地の特例あり)で持ち続けたとして、土地の値段と土地の税金だけで比べると、約8割の市区町村で「2006年に売っていたほうが手元に多く残った」計算になりました。ただし20年分の土地の税金は、今の土地の価格の5%ほどにとどまります。この「約8割」は、ほとんどが地価の下落そのものです。税金で逆転したのは、20年で地価が上がった市区町村のうち40ほどでした。住んでいた価値、貸した場合の家賃、売るときの費用、物価の変化は含んでいません。
自分の実家の市区町村を調べる
市区町村を選ぶと、住宅地の地価の20年の推移を全国と並べて表示します。土地の広さを入れると、2006年に売った場合と、今まで持ち続けて今売る場合の差も計算します。入力した内容はこの端末から送信されません。
相続した土地を20年持ち続けたら
都道府県別の結果
20年分の価格がそろった住宅地の地点がある市区町村だけを数えています。「中央値の変化」は、その県の市区町村ごとの変化率を並べた真ん中の値です。
| 都道府県 | 調べた市区町村 | 下がった数 | 中央値の変化 |
|---|---|---|---|
| 北海道 | 107 | 87(81%) | −36% |
| 青森県 | 27 | 27(100%) | −41% |
| 岩手県 | 24 | 21(88%) | −26% |
| 宮城県 | 35 | 21(60%) | −12% |
| 秋田県 | 17 | 17(100%) | −46% |
| 山形県 | 30 | 30(100%) | −34% |
| 福島県 | 37 | 35(95%) | −24% |
| 茨城県 | 43 | 42(98%) | −36% |
| 栃木県 | 25 | 25(100%) | −36% |
| 群馬県 | 28 | 28(100%) | −33% |
| 埼玉県 | 70 | 49(70%) | −11% |
| 千葉県 | 51 | 31(61%) | −5% |
| 東京都 | 57 | 8(14%) | +33% |
| 神奈川県 | 58 | 23(40%) | +4% |
| 新潟県 | 32 | 30(94%) | −32% |
| 富山県 | 15 | 15(100%) | −32% |
| 石川県 | 17 | 14(82%) | −26% |
| 福井県 | 14 | 14(100%) | −44% |
| 山梨県 | 19 | 19(100%) | −31% |
| 長野県 | 43 | 42(98%) | −34% |
| 岐阜県 | 35 | 35(100%) | −28% |
| 静岡県 | 36 | 32(89%) | −21% |
| 愛知県 | 66 | 23(35%) | +8% |
| 三重県 | 24 | 24(100%) | −33% |
| 滋賀県 | 19 | 15(79%) | −19% |
| 京都府 | 32 | 19(59%) | −4% |
| 大阪府 | 70 | 37(53%) | −1% |
| 兵庫県 | 47 | 35(74%) | −19% |
| 奈良県 | 28 | 28(100%) | −22% |
| 和歌山県 | 22 | 22(100%) | −46% |
| 鳥取県 | 13 | 13(100%) | −40% |
| 島根県 | 12 | 12(100%) | −30% |
| 岡山県 | 24 | 21(88%) | −26% |
| 広島県 | 26 | 18(69%) | −20% |
| 山口県 | 17 | 17(100%) | −30% |
| 徳島県 | 13 | 13(100%) | −43% |
| 香川県 | 16 | 16(100%) | −44% |
| 愛媛県 | 17 | 17(100%) | −36% |
| 高知県 | 20 | 20(100%) | −36% |
| 福岡県 | 62 | 38(61%) | −10% |
| 佐賀県 | 16 | 16(100%) | −26% |
| 長崎県 | 20 | 19(95%) | −35% |
| 熊本県 | 24 | 17(71%) | −20% |
| 大分県 | 16 | 16(100%) | −25% |
| 宮崎県 | 19 | 19(100%) | −20% |
| 鹿児島県 | 35 | 34(97%) | −40% |
| 沖縄県 | 21 | 1(5%) | +45% |
下がり方が大きい・小さい市区町村
地点が1〜2つしかない市区町村は、その地点の事情で数字が大きくぶれるため、ここでは地点が3つ以上ある市区町村だけで並べています。
| 下がり方が大きい | 2006→2026年 |
|---|---|
| 広島県 江田島市4地点 | −71% |
| 北海道 赤平市3地点 | −65% |
| 福井県 大野市3地点 | −63% |
| 石川県 鳳珠郡能登町3地点 | −62% |
| 石川県 羽咋市3地点 | −61% |
| 福井県 あわら市3地点 | −61% |
| 福井県 勝山市3地点 | −60% |
| 北海道 三笠市3地点 | −59% |
| 北海道 滝川市3地点 | −59% |
| 愛知県 知多郡南知多町5地点 | −56% |
| 上がり方が大きい | 2006→2026年 |
|---|---|
| 東京都 中央区4地点 | +171% |
| 福岡県 福岡市中央区14地点 | +149% |
| 東京都 港区14地点 | +132% |
| 東京都 千代田区3地点 | +131% |
| 愛知県 名古屋市東区5地点 | +121% |
| 福岡県 福岡市博多区12地点 | +117% |
| 北海道 札幌市中央区19地点 | +116% |
| 東京都 豊島区12地点 | +109% |
| 東京都 文京区11地点 | +108% |
| 宮城県 富谷市10地点 | +105% |
大きく下がった中には、長く下がり続けてきた地方の市町が並びます。石川県能登町は2024年1月1日の時点ですでに2006年から5割以上下がっており、2024年の能登半島地震の後にさらに下がりました。上がったのは、東京・名古屋・福岡・札幌の中心部や、仙台に近い富谷市のような郊外の市です。
この結果を、実家の判断にどう使うか
- ニュースの地価と、自分の町の地価は分けて見る:全国平均が上がっていても、実家のある町が上がっているとは限りません。上のツールで、実家のある市区町村の線を見てください。
- 「いつか戻る」と考えるなら、その町の20年を確かめる:2006年の水準まで戻っているのは23%の市区町村です。この20年で一度も持ち直していない町もあれば、ここ数年上がっている町もあります。過去の動きは将来を約束しませんが、持ち続ける判断の材料にはなります。
- 持っている間の出費と合わせて考える:売るか持つかは、価格の動きだけでなく、税金・維持費・使い道と合わせて考えます。売る?持つ?手取り比較で、これから10年の比較ができます。
- 期限のある特例も見ておく:空き家の3,000万円控除などには期限があります。地価の動きと特例の期限を合わせて比べるなら売り時シミュレーターを使ってください。
このページは過去20年の記録です。将来の地価を予想するものではありません。
調べ方と、数字の限界
- データ:国土交通省の地価公示(2026年1月1日時点、国土数値情報として公開されているもの)。各地点の2006〜2026年の価格(円/㎡)を使いました。
- 対象:用途が住宅地の標準地のうち、21年間すべてに価格がある12,475地点。途中で新しく選ばれた地点や入れ替わった地点は除いているため、新しく開発された住宅地は入りません。2026年に調査が休止された被災地の地点も入りません。地価公示は主に都市計画区域の中で行われるので、地点のない農村部の実家はこの集計の対象外です。市区町村は政令指定都市を区ごとに数えています。
- 起点の年:2006年を起点にした結果です。リーマン・ショック後の2008年など、別の年を起点にすると数字は変わります。
- 集計:地点ごとに「2006年の価格を1とした各年の比」を出し、市区町村ごとにその中央値をとりました(平均ではなく中央値なのは、1つの地点の大きな変動に引っ張られないようにするため)。
- 20年持ち続けた場合の計算:土地の価格は、入力した今の価格(空欄なら市区町村の地点の中央値×面積)を、市区町村の推移に合わせて各年に割り戻しています。固定資産税評価額は地価公示の7割を目安に評価されることから、各年の土地の価格×70%に、住宅用地の特例(200㎡までの部分は固定資産税1/6・都市計画税1/3、超える部分は1/3・2/3)と税率(1.4%・0.3%)をかけて、2007〜2026年度の20年分を足しました。都市計画税は市街化区域などにだけかかる税で、0.3%は上限の税率です。2006〜2014年ごろは、負担調整措置で実際の課税標準が評価額より低い土地が多かったため、税金はやや多めに見積もられています。建物の価値と税金、売るときの税金・仲介手数料、売ったお金の運用、住んでいた価値や貸した場合の家賃は含みません。
- 2006年の価格の目安:ツールでは、今の価格を市区町村の推移(地点ごとの比の中央値)で割り戻しています。地点の価格そのものの中央値とは、一部の市区町村で1割ほどずれます。
- 地価公示は実際の売値ではない:地価公示は、土地の標準的な価格です。実際に売れる値段は、形や道路、建物、売り方で変わります。
- 地点が少ない町:地点が1〜2つの市区町村は、その地点の事情で数字がぶれます。ツールでは地点の数を表示しています。
このページの集計は「国土数値情報(地価公示データ)」(国土交通省)(出典、CC BY 4.0)をもとに実家ノートが加工・集計して作成したものです。固定資産税の評価の考え方は総務省 固定資産税の概要によります。集計データ(JSON、同じ出典表記つき)はこちらからダウンロードできます。集計日:2026年10月4日。