使われていない実家は全国385万戸。多い町ほど、地価は下がっていた【実家ノート調べ】
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- 売りにも貸しにも出されず、別荘でもない「使われていない空き家」は2023年に385.6万戸。5年前より36.9万戸(11%)増えました。74%が一戸建て、23%は腐朽・破損があります。相続した実家で空き家になっている家の多くは、この区分に入ると考えられます。
- 市区町村ごとに「住宅のうち使われていない空き家の割合」と「住宅地の地価の20年」を並べると、割合が高い町ほど地価が下がっていました。割合が高い上位5分の1の町は、238のうち237で20年前より下落(中央値−38%)。低い5分の1の町で下落したのは39(中央値+28%)です。
- さらに、65歳以上の一人暮らしの世帯が住む持ち家が513.8万世帯あります。将来、空き家になる可能性がある家の目安で、今の「使われていない空き家」を上回る規模です。
分かったこと
空き家の数はよくニュースになりますが、その中には、賃貸の空室や売り出し中の家、別荘も含まれています。親が亡くなったり施設に入ったりして、誰も住まず、売りにも貸しにも出されていない家は、統計では「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」と呼ばれています。このページでは「使われていない空き家」と呼びます。相続した実家の悩みに一番近い数字です。
実家ノートは、総務省の住宅・土地統計調査(2023年)を政府統計のAPI(e-Stat)から取り出し、市区町村ごとに集計しました。さらに、別に集計した住宅地の地価の20年(同じ地点の追跡)と市区町村コードで結びつけました。
実家の町の空き家を調べる
市区町村を選ぶと、使われていない空き家の数と割合、全国の中での位置、住宅地の地価の20年を表示します。政令指定都市は区ごとです。人口1万5千人未満の町村は、この統計に数字がありません。
使われていない空き家と地価の関係
地価の20年のデータがある1,186市区町村を、使われていない空き家の割合が低い順に5つのグループに分け、グループごとに地価の20年の変化を見ました。
| 使われていない空き家の割合 | 市区町村 | 地価が下がった町 | 地価の変化(中央値) |
|---|---|---|---|
| 低い住宅の3.64%以下 | 237 | 39(16.5%) | +28% |
| やや低い住宅の5.55%以下 | 237 | 145(61.2%) | −6% |
| 真ん中住宅の7.79%以下 | 237 | 204(86.1%) | −21% |
| やや高い住宅の11.30%以下 | 237 | 229(96.6%) | −31% |
| 高い住宅の11.32%以上 | 238 | 237(99.6%) | −38% |
割合が上がるほど、地価が下がった町の割合も、下がり方も大きくなっています(ピアソンの相関係数は−0.60)。ただし、これは「空き家が地価を下げた」という意味ではありません。人口が減り、家を買う人や住む人が減っている町では、空き家が増え、地価も下がる、という両方に共通する背景があると考えられます。
割合が高い町・低い町
住宅が1万戸以上ある市区町村の中で並べています。標本調査のため、空き家の推計値が小さい町(割合が低い側の都市部の区など)は、数字のぶれが大きくなります。
| 割合が高い町 | 割合 | 地価の20年 |
|---|---|---|
| 三重県 尾鷲市 | 31.0% | −46% |
| 徳島県 三好市 | 29.8% | −60% |
| 三重県 熊野市 | 27.5% | −44% |
| 鹿児島県 南さつま市 | 26.7% | −36% |
| 長崎県 新上五島町 | 26.7% | −49% |
| 鹿児島県 伊佐市 | 25.0% | −35% |
| 愛媛県 西予市 | 24.7% | −27% |
| 新潟県 佐渡市 | 24.6% | −54% |
| 宮崎県 えびの市 | 24.2% | −31% |
| 鹿児島県 南九州市 | 23.7% | −43% |
| 割合が低い町 | 割合 | 地価の20年 |
|---|---|---|
| 福岡県 福岡市博多区 | 0.3% | +117% |
| 福岡県 福岡市城南区 | 0.3% | +50% |
| 東京都 新宿区 | 0.5% | +87% |
| 福岡県 福岡市早良区 | 0.5% | +102% |
| 東京都 渋谷区 | 0.6% | +98% |
| 東京都 中野区 | 0.8% | +56% |
| 東京都 豊島区 | 0.9% | +109% |
| 福岡県 福岡市中央区 | 0.9% | +149% |
| 熊本県 菊陽町 | 0.9% | +54% |
| 埼玉県 川口市 | 1.0% | +34% |
実家の判断にどう使うか
- 割合が高い町は、地価が下がってきた町が多い:このデータで分かるのは、使われていない空き家が多い町ほど、この20年で地価が下がってきたことです。そうした町では、売るのに時間がかかったり、値下げが必要になったりしやすいと考えられます。売ることを考えているなら、早めに不動産会社に相談し、家付き・更地・買取の価格を比べておくと判断しやすくなります。空き家の買取と、買取額がいくら以上なら得か
- 持ち続けるなら、「使われていない」状態を長引かせない:腐朽や破損が進むと、管理不全空家として勧告を受け、土地の税金が上がることがあります。空き家の固定資産税がいつ・いくら上がるか
- これから空き家になりうる家も多い:65歳以上の一人暮らしの世帯が住む持ち家の数は、1,214市区町村のうち790(65%)で、今の使われていない空き家の数を上回っています。家族が住み継いだり売ったりする家もあるので、すべてが空き家になるわけではありません。親が元気なうちに、家をどうするか家族で話しておくと、相続した後に慌てずにすみます。実家じまいの進め方と段取り表
このページは2023年の統計と過去20年の地価の記録です。将来を予想するものではありません。
調べ方と、数字の限界
- 空き家のデータ:総務省「住宅・土地統計調査」2023年(表「居住世帯の有無別住宅数」「空き家の種類・腐朽・破損の有無・建て方・構造別空き家数」「高齢世帯の型・住宅の所有の関係別高齢者主世帯数」)と2018年(全国の数字のみ使用)。e-StatのAPIで取得しました。
- 「使われていない空き家」:統計上の「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」(2018年調査の「その他の住宅」から名称が変わったもの)です。転勤・入院などで長期にわたって不在の家、建て替えなどで取り壊す予定の家、空き家の種類の判断が難しい家も含まれます。
- 標本調査:住宅・土地統計調査は抽出調査による推計値で、表章単位未満は四捨五入されています(市区町村は10戸単位)。住宅の少ない町ほど誤差が大きく、市区町村ごとの5年間の増減は誤差の影響が大きいため、このページでは扱っていません。人口1万5千人未満の町村は市区町村別の数字がありません。
- 地価:国土数値情報(地価公示)の住宅地のうち、2006〜2026年のすべてに価格がある地点を市区町村ごとに集計したもの(集計方法)。地価の地点がない町は「—」です。
- 区と町村:政令指定都市と東京23区は区ごとに数え、町村と同じ1つとして比べています。区は2023年10月時点の区分です(浜松市はその後に区が再編されたため、地価と結びつけられていません)。
- 地価の地点数:地価の地点が1つだけの町が82あり、その町の地価の変化は1地点の動きです。
- 関係の見方:割合と地価の関係は、同じ時期の数字を並べたもので、どちらが原因かを示すものではありません。
このページは、総務省「住宅・土地統計調査」(政府統計の総合窓口 e-Stat)と「国土数値情報(地価公示データ)」(国土交通省)をもとに、実家ノートが加工・集計して作成したものです。このサービスは、政府統計総合窓口(e-Stat)のAPI機能を使用していますが、サービスの内容は国によって保証されたものではありません。集計データ(JSON)はこちら。集計日:2026年10月4日。